久我山の家

 

〈設計エピソード〉

「久我山の家」は、昭和42年竣工の木造2階建の住宅を改築した建物です。
元々の家は私の祖父が設計しました。
老朽化して改修を考えた建主夫婦が、孫である私に相談してくださったのがこの家との出会いでした。

全体の工事として耐震、断熱改修を行いました。
また、駐車スペースを作りたいという要望から、1階の道路側を減築しました。
内装は今の生活に合うように思い切って改修しましたが、使えるものは既存のものを残しています。
傾斜が急だった階段を掛け替え、畳敷をフローリングに張り替えました。
障子や襖などは、和紙を張り替え再利用し、2階の天井や造り付けの本棚も既存のものを残しています。

設計当初は第三者への賃貸住宅となる予定でしたが、工事を進めるうちに愛着が湧き、
事務所兼自宅として、私がお借りし住まわせて頂いていた時期があります。

隣接した母屋は私の父が設計しており、建主夫婦の住まいとなっています。祖父の時代から設計の仕事をしていることも珍しいですが、同じ建主から親子三代にわたり設計の依頼を受けることは、設計者として本当に貴重でありがたい話です。

■建物概要

□所在地
東京都杉並区久我山
□建築面積
31.64㎡(9.55坪)
□延床面積
55.65㎡(16.80坪)
□1階床面積
31.64㎡(9.55坪)
□2階床面積
24.01㎡(7.25坪)
□構造・規模
木造2階建て
□外壁仕上
既存下地+リシン吹付
□内壁仕上
AEP塗装
□床仕上
ナラ無垢フローリング
□天井仕上
AEP仕上、既存突板貼
□浴室
ハーフユニットバス+サワラ板貼
□キッチン
造作家具
□構造
OUVI / オウヴィ一級建築士事務所/横尾真
□施工
渡邊技建株式会社
□撮影
畑 拓(改修前、改修後共)

建築事例一覧を見る